眼内コンタクトレンズ(ICL)

ICLはメガネやコンタクトレンズを用いなくても良好な裸眼視力が得られるよう、柔らかいレンズを目の中に直接挿入して近視や乱視を補正する自費診療です。手術の流れや傷口は白内障手術とほぼ同様で、手術時間は15分程度です。レーシックのように角膜を削らず、万一の場合には眼内に挿入したレンズを除去することも出来ます。優れた治療方法ではありますが、通常の白内障手術と同程度のリスクはあり、手術直後の経過観察がとても重要です。また18歳未満の方、レーシック後の方、妊娠中・授乳中の方(授乳終了後6か月程度までは、屈折値が変動する可能性が高くなっています)、その他角膜や目の形状に問題のある方には施行できません。

詳細はお気軽にスタッフまでお問い合わせください。

なお、ICLは医療費控除の対象となっております。

 

・初回適応検査:5500円(税込)

・一年後までの定期検査を含む手術費用:65万円(税込)

(乱視用レンズを用いる場合は75万円、片眼手術は半額)

ICLについてのQ&A

・主にどんな人が対象ですか?年齢制限はありますか?

⇒18歳以上で、近視・乱視のせいで裸眼視力での生活には不便さを感じているものの、メガネやコンタクトレンズは使いたくない方が対象です。対象年齢の上限はありませんが、残念ながら老眼の矯正はできないので、40~45歳以上の方では近くを見るときに眼鏡が必要になる可能性があります。

 

・目に入れるレンズはどんなものですか?お手入れは不要ですか?

⇒柔らかく生体適合性が高いもので、特にお手入れなしで半永久的に使用することができます。有害な紫外線をカットする効果もあります。一生入れっぱなしで大丈夫ですが、例えば将来白内障になって手術を要する場合など、必要に応じて取り外すこともできます。日常生活で自然にレンズが外れてしまうようなことはほとんどありませんが、格闘技など極めて強い衝撃を受けたときにズレたり外れてしまうことがあります。見え方が急激に変わった場合は、クリニックまでご連絡ください。

 

・どのくらいまで視力がでますか?ずっと視力は良いままでいられますか?

⇒術前の矯正視力(眼鏡やコンタクトを付けたときの視力)が目安ですが、多少低くなる場合もあります。手術翌日にはかなり鮮明に見えるようになりますが、自然な見え方でしっかり安定するまでの期間は個人差もあり、およそ1~3か月程度かかることもあります。レーシックでは術後長期間経過すると効果が薄れて視力が下がってしまうことがあると広く知られていますが、ICLでは眼内に入れたレンズ度数の変化は起こりません。生理的な近視の進行、白内障の進行に伴う近視化の影響は受けますが、手術前ほどに視力が下がることは通常ありません。

 

・実際に手術を受けるまで、どのくらいの期間がかかりますか?手術は両眼同日にできますか?片目ずつのがいいですか?

⇒普段コンタクトレンズをご使用されている方は一定期間中止していただいた後で、少なくとも2回は別日に検査を行います。レンズ度数を万全に決めるため、この検査の回数は増えることもあります。その後レンズを発注しますが、当院に届くまで国内在庫がある場合で最短数日、受注生産の場合最大8週程度かかります。実際の手術は患者様のスケジュールに合わせて両眼同日でも対応できますが、当院では片目ずつ連日実施するのを最もお勧めしています。

  

・手術日も車で来ていいですか?

⇒たとえ片目ずつの手術でも、少なくとも術日と手術翌日までは自動車を運転して来院することは避けてください。視力が回復しても、昼夜ともに術後の見え方に慣れることが大切です。夜間や長時間の運転には十分注意してください。

 

・手術時間はどのくらいですか?痛くないですか?

⇒片目あたり15分程度で終わります。ICL手術を受けられるような若い方は、通常の白内障手術を受けられる年齢層の患者さんと比べて痛みや不安感がどうしても強く出やすいため、特別な配慮を行っております。手術中には痛みはほとんどありませんが、触られたり押されるような違和感はあります。術後は痛み止めを念のためお渡ししてお帰り頂いていますが、翌日受診時までに使用されない方も多いです。

 

・合併症はどんなものがありますか?100%安全ですか?

⇒日本で年間100万件以上行われている白内障手術と同程度には安全です。軽い合併症としては一時的な異物感、しみる感じ、白目の部分の出血(結膜下出血)、ぼやける感じなどが起こりえますが、2週間程度でいずれも消失します。稀に発生する合併症として、レンズ固定位置がずれたり、眼圧が上昇したり、夜間ににじんで見えたりすることもあります。起こる確率は極めて低いですが最も極端な例としては、レンズを挿入するために切開した傷が完全に接着するまでの間に、眼内に細菌が入って感染を起こす可能性もあります。術直後は感染予防のため抗生物質の目薬を使用していただき、汚れた手で目を触らないように十分注意してください。

  

・術後の仕事、メイク、スポーツはいつからできますか?

⇒目に汚いものが入ったり強い力がかかったりしない、デスクワークに準じるようなお仕事なら特に制限は設けていません。上述の合併症予防のため、術後5日までは首から上は拭くだけ、髪を洗う場合はお近くの美容院で洗っていただき、皮膚を伝って水が目に入らないように注意していただいています。拭くメイク落としのご利用なら手術翌日からメイク可ですが、アイメイクは一週間程度控えてください。術後一か月程度経過したら、水泳等のスポーツも可能です。

 

・再手術が必要なこともありますか?レンズの交換は何度でもできますか?

⇒稀にレンズの固定位置がずれてしまったり炎症が強く起こった場合、レンズを再固定したり交換したりすることがあります。目の構造上の問題でレンズの種類を変えることもごく稀にはありますが、これら以外の理由で何度もレンズを交換するのは目に負担がかかるため基本的には行いません。

  

・どうして院長自身は受けないんですか?

⇒いくつかの理由がありますが、そもそも眼鏡の生活で満足しているなら適応外です。妻には自らの執刀で施行しましたが、満足な結果が得られています。それぞれの方のライフスタイルに合わせた最適な選択ができるよう、ご不明な点はなんでもお気軽にご相談ください。